2007年02月16日

彼への手紙

ある日。
少年はいつものように友人のもとへ遊びにいこうと家を飛び出し走っていた。そして見慣れない物が道の真ん中に落ちていることに気が付いた。


一枚の封筒。



表書きに土汚れが付いていて誰宛に出した手紙なのかは判別できなかったし、裏返しても差出人は書かれていなかった。
この辺りに家はないから、きっと風で飛ばされてきでもしたのだろう。

少年は周りを見回して誰もいないことを確認してから、その封筒を開けることにした。
しかし、中に宝の地図などが入っているわけはなく、大して面白くもないような内容の文章が書かれていた。

「なんだこれ」


誰かに訊ねる訳ではなく少年は呟くと、そのまま手紙をクシャクシャに丸めて、思いっきり遠くへ投げた。

そして何事もなかったかのように再び駆け出した。
遠くに、手を振る友人の姿が見えた。



*************

・・・・さん


お久しぶりです。元気ですか?

突然ですが、あの服、新しい友人に修繕してもらうことにしました。もうめちゃめちゃ待ちまくったのに、何の音沙汰もないんだから、恨まないでくださいね(^^;


いつかまた海で会ったら、お互い新しい服を買いましょう。
それで、その服がボロボロになるまで一緒に遊んで、そしたらまたその服の修繕をお願いします。


そんな日が来ることを祈って・・・。
posted by ケイロン at 01:31| Comment(2) | TrackBack(0) | ケイロンの航海物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「刻む時間」と合わせて、作品のすばらしさに心よりの賛辞をお送りいたします。
本当に、お見事です。
私なら、「間違えちゃった、てへ☆」と冗談に走るしかないところですが、
綺麗で、繊細で、読後に気持ちの良いしんみり感が来る物語を書ける
ケイロンさんの筆力に改めて感服しました。
Posted by Julian at 2007年02月16日 22:11
Julianさんへ:
毎度賛辞の言葉、ありがとうございます。
ちなみに今回の話は、何度「間違えちゃった、てへ☆」で終わらせようかと思ったことか(笑)
でも、人の記憶はほんとに曖昧で、時間が経つにつれごちゃごちゃになったり、本当にあったことより綺麗に思えたり・・・・・。
そんなことあるよね?的に誤魔化してみました(ぇ

自分の書く内容は大抵その場の思いつきで走ったりするのですが、ほんと今回ほど当初の予定と狂ったのはなかったです(−−;

でもまぁそんな些細なこと(?)を置いておいて、気に入っていただけたら幸いです(笑)
Posted by ケイロン at 2007年02月27日 00:29
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。